第37章 FRIENDS
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欠伸を零しながらミルクを飲むウタの髪に櫛を通す。
うまく仕上がったふわふわの髪に、ふむ、と悩む。
(どうしようかなぁ...)
ローテーブルのヘアアクセサリーセットを見つめる。
「ユニコーンとちょうちょとさくらんぼとリボンならどれ好き?」
テーブルのボックスを眺め、暫く悩むウタ。
「ユニコーン、かリボン!」
可愛らしい一角獣のモチーフが付いたピンクのヘアゴムで、白い髪のうちの半分をサイドでお団子にして結う。
反対側の赤い髪はリボン付きのゴムで同じように結って、下ろした髪にクリアカラーの小さな蝶形と花形のクリップを着けていく。
眉上で切り揃えられた前髪をラメやスパンコールのヘアピンで整えて、よし、と頷いた。
「ウタ、かわいいな」
「ほんとっ?」
照れ笑うウタに、本当、とシャンクスがスマホのカメラを鏡代わりに向けてやる。
「わあっ!」
カメラの向きや首の角度を変えるウタに、どう?と確認したジウ。
「かわいいっ!最高っジウ、ありがと!」
「どういたしまして」
残りのヘアアクセや櫛をまとめると、ダイニングセットの椅子に掛けるシャンクスの腿に上体を乗せ、どう?と見上げるウタの嬉しそうな顔に微笑む。
「似合ってるぞ。何処ぞの姫さんみたいだな」
「お姫様っ?!」
キャーッと嬉しそうに足を振るウタに、シャンクスも微笑んだ。
「ルフィ君も、櫛通そうか?」
「ん?ふぉっひへほひーぞ」
どちらでもいい、と言いかったんだろう、と笑ってダイニングで朝食を食べる寝癖のついた髪に櫛を通す。
「ハウスで食うマキノの飯もうまいけど、ジウの飯も同じくらいうまいぞ!」
「ありがとう」
クセの強いルフィの髪を解いていると、隣の椅子に腰掛けたのはシャンクス。
「ジウ、俺も」
差し出された赤髪の頭に、手がかかる人だなぁ、と癖っ毛を櫛で解いた。
「あ、白髪」
「何っ?!」
「ウソ。」
「おいっ」
脅かすな!と胸を撫で下ろしたシャンクス。
「軽く結べそう。ねえ、ポンパドゥールにしていい?」
「は?なんだって?」
「あ、ハーフアップでマンバンにしよっか?」
「...好きにしていい」
少し伸びた赤い髪を無造作にかき集めて、後頭部で小さく結う。
「おー。ベックみてぇ」
鏡越しにケタケタ笑ったシャンクスに、お揃い!とウタが嬉しそうに結った髪を揺らした。
