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*名探偵コナン* 花になって *降谷 零*

第4章 *File.4*


「……風見、さん?」

私と元カレの間に割って入り、助けてくれた。
って、何時から何処に隠れていらっしゃったんですか?

「……」

風見さんは私の方へチラリと視線を寄越した後、軽く頷く。
零は何も言わなかったけど、あのオンナのことがあったから、事情を全て風見さんに話したんだと瞬時に理解する。

「コイツがお前のカレシ?」
「いいえ、彼の部下です。多忙な彼に代わり、自分が雪乃さんの護衛を」
「護衛だ?お前、一体何処のお嬢様気取りだよ?」

と、鼻で笑われる。

「元はと言えば、貴方達の所為であり、雪乃さんに非はありませんし、ストーカーが言うセリフではありません。暴行未遂もありますので、立派な警察への通報案件ですが、どうされますか?」
「さ、さすがにそれは…」
「だっ、誰がストーカーだ!勝手に決めつけるな!」
「正真正銘、貴方はストーカーです。では、次回は必ず警察に通報して下さい」
「わ、分かりました」

身長差からして見下ろされるのは仕方ないけど、無表情だから怖いです。

「お前もお前で、分かりました。じゃねえだろ!」
「でしたら、さっさとお帰りを」
「その前に、僕から一言いいかい?」
「!!」

突然の迫力美人の登場に、元カレがたじろぐ。
スーツ姿と言うことは、本職の最中?
うわぁぁぁ!
私の自宅前で待ち伏せしてる元カレを発見した風見さんが、零に連絡したのね?
二人とも、お仕事の邪魔をしてホントにごめんなさい!

「僕が誰なのか、君は知っているようだから改めて自己紹介はしないが、君には感謝の言葉しかないよ」
「はっ?」
「雪乃と別れてくれたことに関してね」
「噂以上のイケメンだが、女の趣味は最低だな」

と、バカにしたように、吐き捨てる。

「……」

何を言われても、今更何とも思いません。

「何故?僕にとって雪乃は、最高の女性ですよ」
「っ!」

だから、そういうことを素で言わないでっ!
傍にいる風見さんの視線がこちらに向くと、余計に頬が熱くなって俯いた。
自分でもちゃんと分かってますから。
誰かに、ましてやイケメンに褒めてもらえるような、美女でもなんでもない。
私はそこら辺にいる、ごく普通のオンナってコト!


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