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*名探偵コナン* 花になって *降谷 零*

第3章 *File.3*(R18)


「お前は誰にも渡さない」
「…零?」
「……」

ドクンと胸が弾んだ。
当たり前のように、これが日常かのように、躊躇いもなく名前を呼ばれた。
優しい感情が含まれた、柔らかい声音で。
たったそれだけのことで?

「…いいの?」
「俺は雪乃がいい。雪乃は?」
「貴方と出逢ってしまった。その時点でもう私の負けだったの」
「…負け?」
「零を好きにならずにはいられなかった、から」

カノジョの意思とは関係なしに、望月雪乃として?

「だが、梓さんがいるから、と?」
「それもあったし、恋愛はもうね…」

しばらくしたくはなかったし、するつもりもなかった、か。

「好き、だったんだろう?」
「じゃないと、さすがに付き合わない。でもねー、気付いたらすっかり都合いいオンナ扱いされて、別れる前にとっくに愛は冷めてたの」
「もっと早くに出逢いたかったよ。お前が辛く哀しい想いを抱いて、傷つく前に」
「…バカ」

伸びて来た腕は、潤んだ瞳を隠すように俺をふわりと抱き締めた。

「他には?」
「…アリガト」
「もう一声」
「……アイシテル」
「俺もだ。だから、まだ抱きたい」
「えっ?!」

驚きの声と共に抱き締めた腕が解かれたから、手のひらを重ねて、軽くキス。

「何か問題でも?」
「む、ムリです」

余りにもの可愛さと愛しさに、俺が昂る感情を抑え切れなかったせいで、雪乃は続けて何度か果てた後、意識を飛ばしてしまった。

「俺もムリ」
「って、ど、どういう…っ?!」
「ご理解いただけたなら、問題無いな」

俺自身は今直ぐにでもまた雪乃のナカに入りたいと、既に準備万端だ。

「もっ、問題ありますっ!」
「はいはい」
「んぅーっ!」

再び二人同時に果てるまで、止まることはなく。
初めての朝を迎えるまで、収まりきれない今の感情を全て伝えるかのように、雪乃を抱き尽くした。


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