第3章 *File.3*(R18)
「…ッ、あっ……んっ」
ブラウスのボタンを全て外してブラのホックも外すと、露わになる形のいい張りのある胸。
手のひらと指先で柔らかさと大きさを堪能してから、唇を離した。
そのまま間を空けずに、胸先を舐めあげながらもう片方を擦れば、我慢出来ずに艶のある声が洩れ、快楽から逃れるためにしなやかな身体を捩る。
「さすがに消えた、か」
以前、この胸元にたった一つだけ付けた所有印は、もう何の跡形もない。
あれからもオトコの気配がなかったのは知っているが、新たな印がなくてホッとしたのも本心だ。
梓さんの話もあって、前の職場を辞めた経緯が気になって調べた結果、元カレが雪乃に直に吐いていた暴言の一つ。
『抱いても反応が薄い』とは、一体誰の話だ?
寧ろ、感度は凄くいいだろ?
ああ、なるほど。
元カレの情事の知識不足か。
早い話が、全てを自己満足で終わらせるタイプ。
そういうことか。
信じられないな。
想像以上に、肌は白くて綺麗なのに。
乱れる姿はこんなにも魅惑的で、俺を誘惑して止まないのに。
余裕がない雪乃は気付いていないが、今余裕がないのは俺も同じだ。
「……も、や……だっ…ぁ、っン」
「まだ応えないか?」
とろとろに濡れたナカに深く挿れた二本の指をイク寸前で引き抜き、柔らかな胸元にはまたいくつかの所有印をつけた。
「……ど、して?」
「何が?」
「……こんなこと、するの?」
普段は白い頬も肌も蒸気させ、肩で息をしながら半ば快楽に溺れかけた、濡れる瞳がゆっくりと開かれる。
「お前の気持ちが知りたい」
「…何故?私は、梓さんじゃ、ない」
俺に対する雪乃の気持ちが知りたいのは、何故?と言う意味と。
「……梓さん?」
それは一体どういう意味だ?
どうして今、彼女の名前が?
「梓さんが好き、なんでしょう?」
「……誰が?」
「貴方が」
「俺が?」
可愛らしい人だとは思うのは確かだが、彼女に恋愛感情など感じたことは一度もない。