第3章 *File.3*(R18)
「これは一体?」
雪乃さんから捜索依頼された、西日本に住む女性は確かに実在していた。が、カノジョは高速道路を走行中に事故に巻き込まれ、40代半ばと言う若さで不運にも亡くなっていた。
その日付は、俺と雪乃さんの初対面のあの日。
そして何より。
一番の疑問であり、不思議で仕方ないのが…。
今手元にある20代のカノジョの写真と現在の雪乃さん、二人のヘアスタイルこそ違えど、髪の色も顔立ちも同一人物なのかと勘違いするほど似ていることだ。
勿論、雪乃さんとカノジョに血縁関係は一切なく、全くの赤の他人。
「どういうことなんだ?」
カノジョには夫と、年齢が離れた三人の子供がいる。
勿論、依頼者の雪乃さんの生い立ちについても以前、全て調べてある。
望月雪乃。
両親も祖父母もご健在で、雪乃さん自身も確かに実在する。
だからこそ、ただの他人の空似ではすまされないだろう?
ドッペルゲンガーどころの話じゃない。
雪乃さん、貴女は一体何者で、一体何を隠しているんだ?
そして。
何故、俺の正体を知っている?
何故、ヒロの兄を知っている?
出逢った時から、キミには解けない謎ばかりが増えていく。
この謎は、一体何時解けるんだ?