第1章 桜舞う、出逢い
ーーーーーーーー1年後。
私たちは連合学園高等学校2年生に進級した。
今日はクラス替えの日。
各教室の前に貼られたクラス替え表をドキドキしながら見上げる。
『(……。)』
自分の名前を心の中で反復しながら探していると、あ…っ!と見つけたと同時にズシ…、と頭に重みを感じて振り向く。
『…っ、弔くん!おはよう!』
私の頭を肘置きのように腕を置きながら後ろからクラス替え表を覗き込む弔くんを振り向きざまに見上げるとニコッ、と微笑んで挨拶をする。
「…はよ。何組?」
『私、A組!ちなみにね〜…、
弔くんも同じA組!
また今年も一緒のクラスだね!よろしくね。』
「…ん、ヨロシクな。」
また弔くんと同じクラスになった事が嬉しくってピョコピョコ跳ねながら言えば、ぎゅっ、と弔くんに抱きつく。
そうすれば、紅い瞳を細めて小さく微笑む弔くんが私の頭を優しく撫でてくれる。
すると周りの女の子も男の子もザワザワ…と騒ぎだす。
不思議に思って周りを見渡すも、女の子も男の子もみんなお顔がほんのり紅く染まっている。
どうしてみんなお顔が紅いのかわからなくてキョトン…、と小首を傾げるも、弔くんはどこ吹く風のように知らんぷりなお顔。
『…ねぇ、弔くん。
どうしてみんなお顔、赤いの…?』
「…んー?が可愛いからじゃねェ?」
『えぇ〜?可愛い子なんていっぱいいるよ〜?
みんなオシャレで可愛いよね♡
いい匂いもするし〜♡』
向かい合いながら私の腰に長い腕を回して抱きしめる弔くんを見上げながら言えば、スル…と弔くんの少し冷えた大きな手が私の頬に触れる。
「…が一番可愛い。」
紅い瞳で真っ直ぐ見つめられながら弔くんが低くて甘い声で小さく言うとドキン…、と小さく胸が高鳴る。
『ぁ…ぁりがと…。』
なんだか恥ずかしくなって弔くんのお顔が見れなくて、頬を紅く染めながら俯いて小さく呟いた。