第1章 桜舞う、出逢い
『ふ…っ、ぅんっ…悪い、オオカミさん…?』
「…そう、悪ーいオオカミさん♡」
俺の唇をピタリ、との耳元にくっ付けて、また吐息とともに甘い声を流し込んでやると身体をビクン…ッと揺らして反応を示す。
いつもの可愛い声とは少し違う…少し鼻にかかった甘くてやらしい声。
俺はその反応と声を見逃さなかった。
「…ん?…耳、弱いの?」
『…んっ、なんだか…くすぐったいです…っ。』
「…へェー…かァわいぃ…♡
イイコト知った。」
なァーんにも知らなさそうな純粋過ぎるほど真っ白な彼女の口からこんな色っぽい声が出るとは正直、思わなかった…。
これは…ちょっと意地悪してみたい…。
俺の中の悪戯心がチラリと顔を出す。
「…こーんな可愛い反応されちゃ、
男はみんな悪いオオカミさんに
なっちまうなァ…っ。」
『悪いオオカミさんになると…、
何されちゃうのですか…っ?』
ビクビク身体を揺らして可愛い反応を示すの耳元からやっと離れてやると、わざと意地悪なコトを言って組み敷いたを見下ろすように正面から見つめる。
やべェ…っ、このアングル。
今にも襲っちまいそうな勢いだ…っ。
そんなはまだ“悪いオオカミさん”の意味をわかってなくて、純粋なその瞳を潤ませながら、耳も顔も真っ赤にしながら恥ずかしそうに俺に尋ねる。
だから…そんな可愛い顔して、そんな聞き方…っ。
…反則だっつーの。
「…、耳真っ赤だね。可愛い…っ。」
そんな可愛いの真っ赤な耳を手で触りながら俺の本音がポロリ…、とこぼれる。
「ナニされるか…知りたい?」
敏感になってる耳を触りながら、甘ーく、甘く…誘うように聞いてやる。