第1章 桜舞う、出逢い
『…ごっごめんなさい!!…迫、せん…せ…っ。』
一瞬、何が起こったのかわからずに慌ててソファーから起き上がろうと思えば、私の上に迫先生が覆い被さっていて、あともう少しで私と先生の唇が触れ合いそうなくらい近くに迫先生のお顔があって言葉が途切れちゃう…。
迫先生も驚いてるみたいで切れ長のぱっちりした二重まぶたの茶色の瞳が見開かれていて固まっている。
あまりの近さに…触れ合っているところから伝わる先生の温かい体温に、色濃く香る先生の匂いに…胸がドキドキと鼓動を早める。
『…さ、こ…せん…せぇ…っ。』
「…ほーんと、は危なっかしいンだから…。
もう少し危機感を持ちなさいよ。
じゃないと、悪ーいオオカミさんに
食べられちまうぞ…?」
私の頬に迫先生の大きな手を添えられスル…、と優しく撫でられると、短い眉を下げながら困ったように言ったかと思えば、そっと迫先生の唇が耳元に寄せられると低くて甘い声で囁かれる。
『ふ…っ、ぅんっ…悪い、オオカミさん…?』
「…そう、悪ーいオオカミさん♡」
迫先生の唇がピタリ、と私の耳元にくっ付き、更に吐息とともに甘い声を流し込まれると身体がビクン…ッと揺れてしまう。
「…ん?…耳、弱いの?」
『…んっ、なんだか…くすぐったいです…っ。』
「…へェー…かァわいぃ…♡
イイコト知った。」
耳に流れ込んでくる迫先生の低くて甘い声。
耳に触れる唇と吐息に更に身体が反応してしまう…。