第1章 桜舞う、出逢い
【迫圧紘side】
を社会科準備室へと招き入れると、いつも使っている俺専用のマグカップともう一つ違うマグカップを手にコーヒーを入れる準備をする。
コーヒーを飲めるか聞くと、ミルクと砂糖を多めにしたら飲めると言う。
そんなトコロも可愛いと想っちまう…。
自分のブラックコーヒーと用の甘いコーヒーミルクを手にソファーに座っているの隣に足を組んで座るとコーヒーを差し出して、俺も飲む。
マグカップを小さな両手で包み込むように持って、ふー…ふー…と小さく息を吹きかけながらそっと飲む。
またそんな小さな子どもみたいなトコロも可愛いなァ♡と想いながらコーヒーを飲んでホ…っとひと息を吐いたところで隣から熱ーい視線を感じる。
…ん、なに?何でそんなに俺を見てンの?
こんな至近距離で、そんなくりっとした大きな瞳でじー…と可愛い顔で見つめられちゃ照れちまうじゃンか…っ。
ただでさえ、とこんなに近い距離にいて、隣からふんわり香るの甘いイイ匂いにドギマギしちまってるっつーのに。
このコはまた…何を考えてンのか…。
そーいうトコロがお天然無自覚人たらしって言われンだぞ?
「…ん、どうした?」
『ひゃいッ!!』
そんな俺の気持ちを悟られないように素知らぬフリをして声を掛けると、驚いたように変な声をあげる。
「はは、何だよその声。」
『えへへ…、突然先生と目が合っちゃって
ビックリしちゃいました…っ。』
「そりゃァー…あーんな熱烈な視線を送られちゃ、
気付くってモンだろ。」
『何だか迫先生のお顔が色っぽくて…、
このお部屋も迫先生のいい匂いがして
何だかドキドキしちゃいます…っ。』
恥ずかしそうに頬を染めながら俯き小さく呟くに今度は俺の方がドキ…っ、と小さく胸を高鳴らせる。
…え、が俺にドキドキしちゃうって?
俺の顔が色っぽくて…俺のいい匂いがして…?
学園の天使ちゃんが…俺に…ドキドキ…?