第1章 桜舞う、出逢い
【迫圧紘side】
「(やっべ…明日の授業プリントのホッチキス留め
まだ終わってねェー…っ。
誰かまだ残ってるか?
…ダメ元で教室行ってみるか。)」
始業式も終わり、軽く職員会議も終わると各自、各々の仕事に取り掛かるため、俺も授業以外は学校生活の中で大半過ごしている社会科準備室へと足を進める中、ふとまだ明日の授業プリントの準備が終わっていない事を思い出す。
一気にヤル気がなくなるが、ここでしなければ自分の首を絞める事になる…。
生徒には廊下は走るな!と言っているから、なるべく早足で自分の受け持つ担任クラスへと方向転換して足を向かわせる。
そしてガラッ、と勢いよく教室のドアを開けると、ふわ…っと栗色のふわふわの長い髪を揺らして、可愛らしい大きな瞳を見開きながら驚いたように見つめる学園の天使ちゃんがソコにいた。
「…あぁ!良かった…。
まだが残ってくれていたか。」
『…迫先生?どうしたのですか?』
早足で教室まで歩いてきたためドアに片手を着いて、息を整える。
ネクタイの結び目を少し緩ませる俺の側にトテトテ、と駆け寄るとまたその可愛い大きな瞳で見上げる。
ほんと近くで見れば見るほど可愛いヤツだな…。
を初めて見たのはコイツが連合学園高等学校を受験する日だった。
受付担当だった俺は、受付に受験番号と名前を言いに来たを見て目を奪われた。