第1章 桜舞う、出逢い
今日は始業式だけという事もあり、朝のホームルームが終わると体育館に移動をして、校長先生のちょっと長いお話を眠たいあくびを我慢しながら頑張って聞いていた。
3年生の方をチラ、と見てみれば背の高い荼毘先輩がすぐ見つかり、校長先生のお話を退屈そうにあくびをして聞いているのを見てクス…と小さく笑う。
やっと校長先生の長いお話も終わり、各クラス順番に教室へと戻っていく。
『今日も校長先生のお話長かったね〜。』
弔くんと一緒に教室へと向かう廊下を一緒に歩きながら、先程の始業式の校長先生のお話を思い出しながら隣を歩く弔くんを見上げて言う。
「…ほんと無駄な時間。あのハゲ。」
『ダメだよ弔くん…四ツ橋力也校長先生の事
ハゲって言っちゃ…。
また、ふふ…怒られちゃう…っ。』
「お前も笑ってンじゃねェーか、。」
『だってぇ…っ、弔くんが…ハゲって…ふふ。』
口元を両手で抑えながらクスクス小さく笑う私の頭をコツン、と弔くんが人差し指でノックするように叩くも、そんな弔くんも紅い瞳を細めて悪戯っ子のように笑っている。
教室に着けば、帰りのホームルームを迫先生が始める。
「明日からは通常通りの時間割りになる。
時間、間違えるなよ?
…あとそれと、学級委員や役員決めもしねェと
いけねェから自分がどの役員になるか
考えておくように。」
迫先生の言葉にふむふむ、と確認するように頷きながら聞く。
『…役員決めかぁ…っ。弔くん、何にする?
もう決めた?』
「…係なんてかったりィーな…。
別に何でもいいけど、楽なヤツがいい。」
まだホームルームは終わっていなくて、迫先生がお話をしているから、そっと後ろを振り向きながらこっそりと小さな声で弔くんに話しかける。
すると、予想通りの弔くんの返答にクス…と小さく笑う。