第1章 桜舞う、出逢い
「の事困らせちゃうなら
俺が貰っちゃうよ…?」
『…さ…迫先生…っ。』
迫がの後ろから肩に手を置いて、耳元に顔を近付けながら言えば、それに反応したように頬を紅く染める。
チッ…、面白くねェ。
「…セクハラ教師。」
「…変態教師。」
「ちょッ!!それはねェーだろお前ら…っ!?
ひでェなァー…っ。」
俺と死柄木の声が仲良く重なれば、迫がバッ!!との肩から手を退けて離れると両手を顔の横に挙げながら言う。
こういう時だけ気が合うンだよな…死柄木とは。
「…ってか、轟!もうすぐチャイムがなる。
お前は3年の教室に戻れ!」
「…もうそんな時間か。だりィな…サボるか。」
「お前ねェ…仮にも教師の前でサボり宣言するな。
ったく…ほれ、早く行け。」
迫の言葉に面倒臭くなり頭をガシガシ掻きながら言えば、腕を組みながら溜め息を吐く迫。
そんなコト知るかよ…俺の勝手だ。
迫に背中を軽く押されながら3年生の教室の方へ促される。
「…じゃーな、。また後でな。」
『はい!荼毘先輩、今日も頑張りましょうね!』
振り向きざまに瞳を細めて笑いながら片手を振れば、可愛い笑顔で手を振り返す。
あぁ…お前に“ 頑張りましょうね! ”ってそんな可愛い顔で言われたらサボる気がなくなってきちまった。
サボる気でいた足を3年の教室へと向ける。
俺って案外、単純なヤツだな…とポケットに両手をつっ込んで歩きながら小さく笑う。