第6章 春高予選
春高予選当日
相手は私の高校である青葉城西。
青城には中学でベストセッター賞を受賞した及川選手もいるし、インハイ予選で私たちが敗れた烏野にも勝利したチームだ。セッターはチームの司令塔だから、セッターの強いチームは強い。試合前、国見くんも試合に出るのか気になり、青城の控え室の方へ、覗いてみようと向かってみた。
及「ねー君!この及川さんのファンの子でしょ?応援は嬉しいんだけどさ、ここまで押しかけられると及川さん困っちゃうなー。まー俺ってイケメンだし気持ちは分かるけど。」
「あ、いえ、友達を探してただけです。お構いなく。」
及(何この子辛辣。この及川さんを前にして、ときめかない女の子なんているはずないのにー。)
及「ねーきみ。友達って誰なのさ?呼んでこよっか?親切な及川さんが!」
「え、いいんですか?国見って言う人なんですけど、あ、でも迷惑になるから、やっぱりいいです。」
少し親切な及川さんにこの時初めて目を向けた。
及(は、はぁ!?何この子、めっちゃ可愛いんですけど。何でいつもいつもタイプな子に限って及川さんのファンじゃないの。神様俺がかっこいいからって意地悪しないでよ。)
及「おーい、国見ちゃんー!お客さんだよー!」
(この人私の話聞いてた、?試合前に邪魔になるからいいって言ったのに!!)
及川さんに呼ばれた国見くんが私をみつけこちらに走ってくる。
国「え、凛!どしたの?こんなとこまで」
「あのね、私がマネージャーする事になったの伊達工なの。国見くんバレー部って言ってたし、試合出るのかなとか会えるかなーって思って来てみたら及川さんが呼んでくれたの。ごめん、邪魔して。」
国「いや、試合前凛に会えると思ってなかったから嬉しい。凛見ると元気出るから。」
「ありがとう!私にそんなパワーないと思うけど、元気なら良かったよ」
国「敵の応援してて大丈夫なの?伊達工の皆さんお怒りなんじゃ。」
「国見くんは敵じゃないでしょ。試合で戦うことにはなるけど、大事な友達だもん。国見くんも応援してる。それにみんな優しいから大丈夫だよ。」
国「そっか、ありがと。じゃあ、また後で」
国(大事な友達か、、、)
「うん。後でね!頑張って」
この後国見くんは私のことで、及川さんにしつこく詰め寄られたそうだ。