第2章 バレーボール
ジャージを貸してあげると、嬉しそうに立ち上がって俺のジャージを着る凛ちゃん。こちらを向いて律儀に着る前にお礼を言うもんだから、正面からしっかりブラを拝めてラッキーとか考えるのは男だからしょうがない。
凛 「あ、ありがとうございます。早速迷惑かけちゃってすみません。あの、どうして保健室に??」
近くで見るとクリクリの目にフワッとした柔らかそうな茶色の髪、なんか全男子が好きそうなタイプの子だなーとか心地よい声を聞きながら思った。
「俺は練習試合で突き指してここに来たんだけどさー、鎌先って先輩が大人気なくって強引にスパイク決めてきてさ、指先にボール当ててきたんよ。酷いと思わね?もっと後輩を思いやるべきだよなー。」
なんて先輩の悪口を挟みながら答えると、子供でも見てるみたいなあったかい目で微笑むもんだから釈然としない。
(だいたい、俺の方が年上だし、子供扱いされるなんて納得いかねぇ。)
と思いながらも、目の前で笑う彼女に試合前のような胸の高鳴りを憶えたのは気のせいだろう。
凛「あの、私で良かったら、テーピング巻きましょうか?ジャージのお礼も兼ねて」
保健室の椅子に座り、くるくると回りながらそんな事を考えていると声をかけてきたのは彼女の方からだった。
ジャージのお礼にと声をかけてくれた少し赤い顔の凛ちゃんはいじらしくてグッときた気もした。
お礼を言ってテーピングを巻いてもらっていると
凛「優しいのは貴方の方ですよ、本当に困ってたので助かりました。」
他人みたいな話し方するから少し拗ねながら
(いや他人だけどさ、先輩の大事な従姉妹だし、話よく茂庭さんから聞かされてたわけだし、実質伊達工男バレの一員じゃん)
なんて思いながら
「俺の名前二口堅治だから。あと、優しくねーよ。茂庭さんの言ってること正しいと思うし、あんまはなっから信用すんな。」
とか言ってみたけど、キョトンとした凛ちゃんから絶対茂庭さんが言った男は狼だって話覚えてねーなって茂庭さんに同情した。
2人で保健室を出て並んで体育館へ向かう中、戻ったら絶対鎌先さんあたりに茶化されるなーとか俺のジャージ着た凛ちゃんを見た茂庭さんの顔楽しみだなって考えて1人でニヤケてたのは凛ちゃんには秘密