第8章 人魚姫は脚をもらう
男の子side-(小4)
友達に肝試しに誘われて旧○○村って言う廃村に来たんだけど、途中皆は僕へのイタズラで僕を置いて山を降りていった。
皆は帰り道を知っている子について行ったから戻れるだろうけど、僕はそうじゃない。
道も分からない。見渡しても木、木、木。
村に入ればまるでお化け屋敷。
怖くて心細くて涙目になりながら辺りを歩いていたら本当にお化けがいたんだ。
お化けの前には1人のお姉さんがアニメでしか見たことがないような魔法のステッキみたいなのを握りしめて震えてた。
するとお化けがこちらを向いて目が合ってしまった。
「ひっ!」
思わず声を出してしまった。
お化けに襲われそうになった僕をお姉さんは助けてくれて、逃げ道を教えてくれた。
お姉さんの体はすごく震えてて、自分も怖いはずなのに僕には安心させるように微笑んで逃げるように背中を押してくれた。
教えられた道をひたすら走って行く。
道がでこぼこしていて何度も何度も転んだ。
泥だらけになりながらも必死に走り続ける。
お母さんからいつも言われている言葉が頭の中で流れてくる。
(いい?翔。男の子は女の子を守ってあげないと行けないのよ。)
そうだよね、お母さん。でも僕はきっとあんなお化けとは戦えない。だから急いで助けを呼ばないと
お姉さん待っててね。僕頑張るから