第8章 人魚姫は脚をもらう
時の流れは早いもので、もう5月だ。
入学から2ヶ月。
2級なら恥ずかしくない程度には体術も術式も安定してきた。傑のサポートのおかげだ。
しかし暑い。セミもうるさいし、おまけに初夏…。呪術界繁忙期。
年中人手不足と聞く割にはなかなか任務を割り当てて貰えない。
早く任務に行きたい。じゃないと私の存在価値は無いに等しい。
朝ランニングをしながらぐるぐると頭の中で考える。
次50週目か、今日は60走ったら終わりにしよう。
夜蛾「水姫」
あの人神出鬼没って感じ…。
せっかく調子が乗ってきたところなのに。まぁ仕方がない。
「どうしたんですか??こんな早朝に」
夜蛾「毎日鍛錬に励んでいて偉いな」
「???ありがとうございます?」
夜蛾「今日は初任務をお前に持ってきた。できれは初任務は傑か悟の任務のサポートをと思っていたのだが…。なかなか難しいものがあってな、」
!!!!!
「快くお引き受けします!!」
夜蛾「準2級レベルが一体の任務だ。大丈夫だろうがくれぐれも気をつけるように。」
「はい!」
頑張らなくちゃ。私がこの世界にいてもいいと思ってもらえるように。