第4章 酸素を求めて
家入side―
バスタオルを取れと言ってみたものの握りしめて取ろうとしない。
そのままだと芋虫みたいじゃ無いか
それから綺麗にしてやると約束したところでやっとバスタオルが取り払われた。
目を見開き思考停止状態。
だってあまりに傷が酷いもんだから、腕にはタバコでの火傷と後、首に手形の痣、ノースリーブのワンピースらしき服から見えてる所だけでこんなに酷いのだ。
その下はどうなってるか恐ろしくて考えたくもない。
もしよっぽどの理由があったとしても人間がすることじゃないだろう。
タバコをしまえと行った夏油の言葉がようやく理解出来た。
家入「ワンピースも脱いで」
大人しく指示に従った事に少し安堵する。
ワンピースの下も想像以上に酷い。
家入「今綺麗にしてやるからな」
っと少しイタズラっぽい笑顔を向けるとまた少し心を開いてくれたようだ。
「綺麗になれる?」
家入「あぁ、なれるよ安心しな」
ひゅーひょいっと!
傷を少しづつ治していく。
だいたいは綺麗に治ったが、
腰辺りに付いた何かで切られたような傷はもう自然治癒しており、さすがに跡までは消せなかった。
家入「すまん。これが限界。約束守れなくてごめ―」
ぼろぼろ―
家入「?!」
そんなに治らなかった事が傷ついたのか?
涙いっぱいの顔を見せられてたじろぐ。
「な、まえ!」
家入「ん?」
「なまえ...!夏梨!」
家入「あ、あぁ、そういうこと?硝子だよ」
夏梨は私の両手を握りしめ泣きながら話す。
「あ、ありがとう!綺麗にしてくれて...。硝子...さん...」
最後は小さくて聞き取りにくかったけど、なんだかとても暖かい気持ちになった。
家入「硝子でいい。またいつでも綺麗にしてやるから」