第1章 幼い頃の記憶
激しい胸の痛みと共に苦しみと暗闇が訪れる
「おい!おい!!」
だ、れ....この声...レイ?
まさかね...と思いながらも痛みに意識を手放す
目が覚めるとそこはおばあちゃんに付き添われてくる何かの定期検診で見慣れた病院で手に温かい温もりを感じる
「おばあちゃん?」
と掠れた声でぼそりと呟き視線を落とす
マヒルよりも少し黒い髪に長い指
「..れい?」
と呼ぶ声にぴくりと握られた手が動く
何か卑しいことがあるわけでも無いのにドキっと心臓が跳ねる
慌てて寝たふりを決め込むとモゾモゾと動き出す影
「まだ起きないのか...早く目を覚ませよ寝坊助」
そう言いそっと頭を撫でられる
暖かい。じんわりと染み渡るそんな感じだ
どうしよう。起きるタイミング見失っちゃった..。
「少し飲み物を買ってくる」
寝ているフリをする私に気づかないのか席を立つレイ
離れ際にキュッと手を握り祈る様に顔を近づける
入れ替わりで入ってきたおばあちゃんとマヒルお兄ちゃん
なんか起きにくい...。と思っていると
「おい起きろ」
そうマヒルお兄ちゃんに声が聞こえたかと思うとデコピンをされる
「痛っ!?!?」