第1章 幼い頃の記憶
レイを避けながら生活するのは案外楽だった
幸いな事にも友達はクラスにはいたし浮く様なことはなくなった
「最近レイ君達といないけどどうしたの?」
と聞かれても
「んーちょっとね」
と答えると
「喧嘩でもした?」
と誤解してくれたのでかえって都合が良かった
そんな生活にも慣れあたりは真っ白になり暖かくなるとピンク色に染まる
うちの学校の体育祭は春にいつも行われている
中等部と高等部なんで一緒なんだろう...はぁ...顔合わせたら気まづいなぁ...なんてウジウジしていると自分の出番が回ってくる
急に名前を呼ばれ立ち上がった為クラクラする
生理だしほんと最悪...タイミング悪すきでしょ...と真夜中に来たばかりの存在に悪態をつく
「大丈夫?」
「あーうん..平気。アレ来ちゃってさ。あんまり本調子じゃ無いんだよね-」
「えーまじ?タイミング最悪じゃん」
なんて話しながら所定位置に着く
ピストルの音と共に列が移動していきいよいよ自分の番となる
打ち上がる音と共に一歩を踏み出す
100mってこんなキツかったっけ...あーめっちゃ抜かれてる。まじ最悪...ってかほんとに...遠...く...
と思っていると遠ざかる意識