第2章 診察と質問
心臓がバクバクとうるさい
パチンと糸を切り顔を上げたレイが
「終わったぞ」
と優しく笑いかけてくる
どきりと跳ねる心臓がギュッとする
思わず白衣を掴む
レイが立ちあがろうとしたタイミングだったために引き留める様な形になってしまった
「あっご、ごめん」
無意識に引き留めた手を離すと座り込むレイ
「気にするな」
そう言いお世辞にも広いとは言えないベットに腰を下ろす
そっと引き留めた手を握りかえすレイ
「落ち着くまでこうしている」
「....それは」
「ん?」
「...それは私が...患者だから?」
握れらた手の指先がぴくりと動く
「...違う」
「じゃぁ 私が...幼馴染..だから?」
「....違う....と思う」
そう曖昧な返答に
「なにそれ。レイ先生らしいけど」
とくすりと笑うが胸が痛む
自分でこんな重い女みたいな質問しておいて勝手に傷ついて馬鹿みたい
しばらく無言の時間が流れる
その間も繋がれた手
少しでもこの温もりに縋りたい
そう思いながら手を握り続ける