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ネジを弛めたサドルに跨がる瞬間【弱虫ペダル】

第12章 それを恋だと言うのなら【新開←主←荒北】


「へー、あいつ別れたの」
「だからって私にそんな事言う?慰める気にもならない」
「チャンスじゃねェの?」
「私にチャンスなんてないのよ。対象外なんだから」
「はぁー、メンドクセーのナァ」
「私なんてこのパンに過ぎないのね。あんパンなんてあくまであんこがメインだし、パンがなくちゃあんパンになり得ないんだけれどけしてパンは主役じゃない。パンが食べたいなら他でもいいじゃん。なのに新開はあんパンじゃなきゃダメなのよ。あんこがあってパンもなきゃダメで、どちらが欠けても嫌だでゆう」
「ウッゼ!!どんだけ病んでんダヨ!?ウッゼ!!」

翌日の昼休み、久しぶりに屋上へ来てみれば荒北が地面にジャージを敷いて既に昼寝の体勢に入っていた。意味もなく買いすぎた購買のパンを投げつけて、ちょっと聞いてよ!!と、新開との事を話した。
よほど眠いのか目を閉じたまま私の話に時々相槌をうつ。私の恋愛事情をよく知っているせいか至極つまらなそうな顔だけど、なんだかんだ言ってちゃんと聞いてくれているいいやつだ。

「私もあんこになりたいなぁ…」
「あんパンなんてどーでもいいんダヨ!うじうじしやがって。お前ナァ、何をどうしたって答えなんかひとつっきゃねーんダロ!?ったく。人の昼寝を邪魔すんな」
「ちょっとくらい愚痴らせてよ」
「テメーのちょっとは果てしねェーんだよ!!」
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