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ネジを弛めたサドルに跨がる瞬間【弱虫ペダル】

第14章 初体験までの長い長い道程【泉田*裏】


手の動きに合わせて揺れる塔一郎のソレが私の入り口を擦って、時折クチュッと音を立てる。受け入れ態勢は万全なのだと自分でもわかった。ただ私に意気地が無いだけで、あの時見てしまわなければ今頃私は嬉し恥ずかし初体験を終えていたのだろう。

いっそ不意に貫いてしまえばいいのに。覚悟を決める余裕もなければ、堪えるというのもおかしいけれど、あとは塔一郎に身を任せるだけなのだから今の羞恥プレイよりは幾分ラクかもしれない。
でも塔一郎はそんな事はしないだろう。私に触れさせる事にも気が引けて、だからこそのこの事態なんだろうから。

「っは、こっち見てっ」
「んっ…」
「イきそうっ…」

右手の速度が上がった。今までより大きく揺れるせいで、私の一番敏感なところに先端が当たった。
思わず身体が反応して、それに気付いたのかソコへ押し当てられる。

「あっ、やだっ、とういちろっ、だめ」
「イくよ…」
「んっ、あはぁっ…!!」
「くっ……っはぁ」

押し潰されて何度かビクッと体が跳ねた後、下腹部に熱い液がかかるのを感じた。疲れたのか私に倒れ込む塔一郎の息が耳にかかってぞくぞくする。

「と、いちろ…」
「はぁっ…ごめん。ありがとう」
「ううん。ごめんね」
「いや。僕も焦っていたのかもしれない。が大丈夫って言うまで、これでもいいから」
「……」

塔一郎の優しさは時に残酷だ。広い背中にそっと手を回して、次は多分大丈夫だよって呟いたけれど、無理はするなと咎められて、むしろ彼の性癖なのではと疑った。


fin.
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