第8章 煩悶の渦中へ③【レイ】R18
『私には、あなたに、そんな風に気遣ってもらえる資格なんて…っ、ないよ…』
だが続けて発せられた まるで彼を突き放すような言葉に、レイは深く溜息を吐く。
「質問の答えになっていないぞ」
するとアリスは再び押し黙ってしまう。
引き続きレイは、後に続く彼女の言葉を辛抱強く待った。長い沈黙の後、観念したのか漸く彼女が重い口を開いた。レイはそれに注意深く耳を澄ませる。
『───……あなたを選んだのは、
それは私があなたの事を………ずっと、好…………たから
……だから私は、後悔なんて……していない
……するわけがないんだよ……』
だが肝心なところがよく聞こえず、レイは少々眉を顰める。頬を染めそう声を紡いだ彼女が、酷く恥ずかしそうに顔を伏せた。
『こんなこと、
レイに強要して本当に、ごめんなさい…
何を言われても私には、貴方に、言い返す言葉なんてないんだよ
…だからあなたはいくらでも、私を責めていい』