第8章 煩悶の渦中へ③【レイ】R18
「……安心しろ、責任は取る
私のこの先の人生を掛けても……な
お前は私にとって、特別な存在だ」
『────ぇ………?』
だがそう呟いたレイの言葉は
虚な意識のアリスの耳に届くことはなかった。
レイはどこか寂しそうに小さなため息を吐く。
浅く内側に触れるとそこは奥が物足りないとばかりにひくついている。レイは指を増やすと 再び唇で柔らかくクリトリスを愛撫した。少しでも彼女に愛情が伝わるように。丁寧に、繊細に。そうして再びの絶頂へと彼女を導いていった。
『──な、んで……
最後まで────…して、
くれない、の………?
……ぁ‥‥ん……』
「お前にはまだ、準備が出来ていない
…理由は私がそう判断したからだ」
『そんな、事、ん、ない……のに』
「……しかし……
お前はこれだけでも
充分に気持ちよさそうだが?」
あれからレイは助けを求めに来たアリスとは結局最後までする事がなかった。つまり「挿入」という意味ではあれ以来彼女とは触れ合っていない。
出来れば心を通じ合わせてから再び彼女を抱きたいと思っていた。故に今夜も何とか自分を押さえ込み彼女の身体を満足させることだけに真に努めた。自分に鞭打つように。まるでそれが彼にとっての懺悔であるかの如く。
間を置かず再度果てたアリスの入り口は
ぎゅうぎゅうとまるで呑み込むように彼の指を締め付けていく。
「く…っ
アリス……戻ってこい」
溢れる蜜壺から激しく潮が吹き出して
アリスが全身を震わせる。
『────あぁ…っ、…レイ…ッ
────…レイ……ッ
も────…っ、だめぇ………っ!!』