第1章 創作の鍵【ホムラ】
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グッタリとした身体をシワくちゃになったシーツの上に横たえて、アリスは朝と同様の肌色の背に恨めしい視線を向ける。
ホムラはアリスと再びベッドで熱い時間を過ごした後、彼女にキスを落として軽食を取り
再度軽快にキャンバスに向かった。
それを昼食時、夕食時と繰り返し
結局2人は一日中家の中で過ごすことになった。
午後はもう何度ホムラの熱を肌で受け止めたのか分からない。彼は何度も情熱的に、飽くことなくアリスの身体を欲した。最後に意識を飛ばした時、彼女はもうその回数を数えるという愚行を諦めた
(………私、
昨日が初体験だったのにな)
最初は痛くて堪らなかったのに
2回目以降の行為からは────考える事も出来なくなるほど、目の前の快楽に没頭してしまっていた。
当然ホムラもそれは勘付いている筈だ。
最初の行為後出血したアリスを気遣い、昨夜は寝るまで優しく腹部を撫でていてくれた彼。
が朝に交わした行為以降アリスの艶っぽい反応に徐々に遠慮がなくなっていった。
ホムラはピンクと赤のコアのかけらを削り、それにオリジナルのオイルを混ぜ合わせ独自の塗料を作っている。そこに昨夜一緒に砂浜で拾った貝殻の欠片も砕き混ぜているようだ。
「これはね、君の肌の色なんだ」
いつの間にか完成に近付来つつあるキャンバスに目をやれば、抽象的だが美しい色合いが折り重なったその色彩は、ホムラの今の幸福感や充足感を表しているのかもしれないとアリスは思った。