第3章 運命の恋人【セイヤ】
──────…ガラ
病室のドアが開いて
そこからセイヤが顔を出した。
「入っても良いか?」
『もちろんだよ』
アリスの顔を見るや
セイヤは彼女の顔色が数時間前と比べ微かに血色ばんでいることに安堵した。
意識を失う直前のアリスはまるで血の気がなく 青褪めたその顔は彼に 遠い過去での恋人との決別を思い起こさせた。
「────すまなかった」
『え?』
「もっと早く俺が駆けつけていれば
───…あんたは きっとこんな目に合う事はなかった」
アリスはその言葉に大きく瞳を見開いた。
『どうしてセイヤが謝るの?
ペアになるハンターが待てなくて、判断を誤ったのは私。
………それ以前に私は、自己管理が出来ていなかった
あなたは何も悪くないじゃない』
プロのハンターとして後の結果には責任を持つ。それが鉄則だ。
きっとレイ先生ならお見通しだろう、とアリスは思った。