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深空の幻【恋と深空】

第12章 絡め取る【シン、ホムラ】R18






──────…




用意されていたドレスに袖を通す。


クラシックなデザインだが、いざという時戦いやすい様 スカートには深いスリットが入れられている。アリスは愛用の武器を太もものホルダーに忍ばせると鋭い視線を上げた。


次の瞬間、鏡に映る自分の背後に影が現れる。



「似合ってるぜ」



シンが家族を殺しエーテルコアを奪った犯人だと 当初 アリスは思っていた。だが潜入して程なく 真犯人は別にいると知る。




「行こう」
『足手纏いにならないでよね』




アリスは差し出されたシンの腕に自分の腕を絡めると 真っ直ぐに歩き出した。


オークションの裏に潜む真の敵と対峙するためには、敵よりも危険なこの盟友を 今は選ぶしかない。


暗点主催のコアオークション。シンにエスコートされ アリスが訪れた会場は 重厚感のある高級ホテルだった。隣を歩く男は 場違いな自分とは違い 流石と言っていい程自然に その背景と馴染んでいる。アリスは意識し背筋を伸ばすと顎を上げ その未知の入り口を見つめた。




⭐️




シンが取り引き相手とその場を離れる前 自分とコンタクトが取れるようにとアリスの耳にイヤホンを付けた。どうやら横にあるセンサーに触れれば シンと話せるようになっているらしい。


やがて意に沿わない盟友が扉の奥に消えた後、1人になったアリスは 早速様々なコア展示を物色しようと踵を返す。が渡されたイヤホンが人目につかぬよう そっと後毛で隠した瞬間、 進む向きとは逆方向に 突如腕が捻りあげられた。驚きと共に反射的に受け身を取るが鈍い痛みが手首に走る。




『…いっ…』
「あの男は誰?」

『!!?
え……────ホムラ?!』




だが驚いた事に 彼女の手首を捻り上げたのは、ここにいるはずもない 彼女の恋人…ホムラだった。意表を突かれて慌てたアリスは 急いで ホムラを人目のつかない位置へと誘導する。




「誰って聞いてるの、早く応えて」
『ちょ…っ
あなた───…どうしてここに』
「そんな事今はどうだっていい

あんなメッセージを最後に連絡を経って…君、僕がどんな気持ちで今この場所にいるのか分かってる?

──…あの男は誰?まさか君の浮気相手かい?」



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