第12章 絡め取る【シン、ホムラ】R18
艶のある瞳に見つめられれば つい所在なく憎まれ口を叩いてしまう。だがそんなアリスを、シンは相変わらずの余裕な態度で さも簡単にあしらってくる。恐らくは相当女慣れしているのだろう。初対面の自分を軟禁する割には こうして全く手を出してこないし…── 彼は きっと "そういう" 相手には困っていないのだ
何故だろう、段々と腹が立って来る。
こんな思考…これではまるで自分が彼に "手を出して欲しい" みたいじゃないか、と益々混乱してゆく。
(なんでわざわざ…私をホムラと別れさせたの?
本当に、ただ "共鳴" したいだけなら
───…そこまでする必要…ないでしょう?)
「約束したからな、側で見張っていると。
それに招いている客を最大限もてなすことは
───ボスである俺の仕事の内でもある」
(仕事の内…?)
アリスはその言葉を聞くと布団を頭まで被り シンに背を向けた。
⭐️
不貞腐れた猫の様に背を向けて眠るその髪の一筋を シンは指に絡め取る。
何故か不機嫌になった彼女は 余程体調が悪いのだろう 直ぐに薬が効いて意識を飛ばした。
初めて触れた時から シンはアリスを気に入っていた。反抗的な態度とその瞳。物怖じしない言葉の一つ一つ。エーテルコアがその胸にある事は側に置く事の後付けだった。
すぐに気が付いた、アリスが自分の魂を持つ片割れであると。
かつてそうであった様に、ここに閉じ込め今すぐにでも アリスを自分だけのものにしたい。恋人の事を乞う姿を ガキ臭い衝動で見たくないという理由から陳腐な方法で彼女から遠ざけた。
(早く、お前も思い出せ──…)
華奢な体は簡単に組み敷ける。押さえつけて貫く事は彼にとって造作もない。
早く自分の身体で彼女が快楽に溢れるその声を聞きたい────受け入れるそこの熱さを感じたい
(魂が全てを覚えている、全てを俺に捧げた、お前の事を──…)
「言っただろう
この代償はお前の想像以上にでかいだろうな」