第2章 我儘な独占欲【ホムラ】
「この…
──────レイってのは誰?」
暫く画面を見つめていたホムラが鋭い視線をアリスに向ける。
『レイは────…主治医の先生だけど』
「主治医?
だとしたら少々踏み込みすぎな会話が多いんじゃない?しきりに君の休みを気にしているようだけど」
『レイには昔から家族ぐるみでお世話になってるからそれなりに親しいってだけだよ。
ちゃんと休みを取って体調管理をしろっていつも怒られてるの』
「そう───
それにはまぁ、僕も同感だけど。
………じゃあ、こっちの
───セイヤってのは?」
『セイヤ?
──…はぁ…セイヤは、ハンターの同僚だよ』
「…………同僚?
それにしては随分と仲が良さそうだね。
………一緒にクレーンゲームをしたって書いてある
僕とも行った事がないのに…」
『そ、それは女友達に約束をドタキャンされた時、たまたまゲーセンの前でセイヤと会って…
暇だから成り行きでゲームしたってだけで』
「ふぅん………そうなんだ
はい────もういいよ」
ホムラはその後スマホを返してくれた。それと交換する様に、アリスは先程ホムラから手渡された端末を返す。そもそも何故トウとイベントの話からこんな事態に発展したのだろう。あっさりスマホを手渡すとホムラは酷く不満そうな顔になった。
「僕は今回トウの履歴に君の名前があったってだけで、こんなにも動揺しているのに…
君は随分とあっさりしているんだね。
アリーにはないのかな?
僕の交友関係に嫉妬してしまう、そんな瞬間が」
『……嫉妬してたの?
トウさんに協力するかもってことじゃくて?』
「……ふん、だったら何?」
ホムラは耳を真っ赤にしている。
アリスはそんな恋人をたまらなく愛しいと思った。
『ホムラ…』