第2章 我儘な独占欲【ホムラ】
「君っ!
やっぱりトウに絆されてるじゃないか!?」
『違…っ、それは誤解だってば!』
「────ふ〜んそう
なら……………………はい
僕を信用させてよ」
ホムラが納得がいかないと言う顔で駄々っ子の様にアリスの目の前に掌を差し出す。
『え?』
アリスは彼の行動に眉を顰め首を傾げた。
「携帯」
『え?!』
「履歴を見せて
やましい事がないなら見せられるはずでしょ?」
横暴…──という言葉がアリスの脳内を真っ先に横切ったが、不機嫌な恋人に逆らうと後がめんどくさいということを彼女は経験で理解していた。おずおずとポケットから自身の端末を取り出しホムラの掌に乗せる。
「………素直だね、ふむ。
────どれどれ…」
意気揚々とアリスに携帯のパスワードを解除させると、ホムラは端末の画面を華麗にスクロールしていった。トウとのやり取りを確認し終えたホムラは、「どうやら君は無罪だったようだね」とホッとした様に瞼を細めた。だが続けてそれ以外の会話履歴にも彼は指を滑らせて行く。
『ちょっ…流石にそれはプライバシーの侵害っ!!』
パッとホムラに掴みかかるもあえなく避けられ、アリスは苦虫を噛み潰したような顔になった。ホムラは自身の端末をポケットから取り出しお返しとばかりにアリスに手渡した。
「はいこれでおあいこでしょ
僕は恋人に見られてもやましい事は一切ない
好きに見て構わないよ。
でももしかして、
君の方は僕に見られたら何か困る様なやましい事が
『なっないよ!!!
────……わかったってば
はぁ…もう…』
その言葉にホムラはやっと、満足気に眉を上げたのだった。