第3章 不思議なみぞの鏡【賢者の石】
すると、そんなハーマイオニーはハリーとロンは煽るかのような言葉を投げかけた。
「あれっ、僕たちとは口をきかないんじゃなかったの?」
「そうだよ。いまさら変えないでよ。僕たちにとっちゃありがたいんだから。というか、なんでアリアネはハーマイオニーと仲良しなんだよ」
「なんで不満そうなのよ·····。ハーマイオニー、これは秘密にしてちょうだい」
そうお願いすれば、ハーマイオニーは何も言わずにそっぽを向いて行ってしまった。
「なんで、貴方たちはハーマイオニーと仲良くできないのよ」
「逆に、なんでアリアネはハーマイオニーと仲がいいんだい?僕とロンはそこが不思議だよ」
「話せばいい子よ?」
「話したら煩わしいだけだよ」
「もう·····」
その後、ハリーはニンバスの事を考えていたようで授業に身が入ってなかった。
そんな彼に苦笑しながらも、私はとりあえず応援をすることに決める。
「ハリー、今日の練習頑張って。怪我はないようにね」
夕食後の寮に戻る途中、私は小声でそう声をかけた。
そんな私にハリーは笑顔を浮かべながら、頷いてみせる。
「ありがとう、アリアネ。頑張ってくるよ」
「貴方の試合姿、早く見たいわ」
「楽しみにしてて」
そして私は、ハリーがクィディッチ競技場に向かうのをロンと共に見送った。
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ハリーは毎日たっぷりの宿題をこなしながらも、週三のクィディッチの練習をしていた。
クィディッチの練習後はかなりヘロヘロとなっていて、私とロンはかなり驚いたものだ。
「僕気が付いたけれど、あっという間にホグワーツに来て二ヶ月になってるね」
ある日の朝、ロンが寝坊して私とハリーだけで大広間で朝食を食べている時。
ハリーは少し驚いたようにそう話した。
「そうね、確かにもう二ヶ月になるのね」
「二ヶ月前は、こうしてホグワーツに来るなんて思ってもなかったよ。両親の事もアリアネの事も知らなかったなんて思えないよ」
「私も、二ヶ月前はハリーに会えるなんて思っていなかったわ。こうして、また一緒に過ごせて嬉しいわ」
ホグワーツに行く前は、ハリーとこうして会えて仲良くなれるなんて思えなかった。
仲良くなりたいとは思っていた、でもなれなかったら会えるだけでも良いと思っていたから。