第16章 闇の印【炎のゴブレット】
リーマスの言葉を不思議に思いながらも、私はドレスに少し見とれていた。
綺麗なドレスをシリウスから貰ったことに喜んでいたのだ。
「気に入ったようだね」
「もちろん!あとでシリウスにお礼の手紙を送らなきゃ!」
私は大喜びしていた。
このドレスが誰の為に着ることになるかなんて知らずに·····。
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ーthird person singularー
夏休みも終わり、いよいよホグワーツに向かう日。
生憎の雨模様の天気だが、アリアネまたハリー達に会えるのを楽しみにしながら、リーマスの『姿くらまし』でキングズ・クロエ駅に向かった。
9と4分の3番線に辿り着けば、まだハリー達の姿は無い。
キョロキョロと辺りを見渡すアリアネにリーマスは小さく微笑みながら壁に背中をもたれかけていた。
「あ、いた!ハリー、ロン、ハーマイオニー!」
「アリアネ!」
「おはよう。今日は生憎の天気よね」
「そうね。あ、ルーピン先生もおはようございます」
「おはよう、ハーマイオニー。だけど私はもう先生じゃないんだよ」
未だに自分を『先生』と呼ぶハーマイオニーにリーマスは少しだけ困った表情を浮かべた。
「さあ、座席を探しておいで。早くしないと埋まるよ」
「はあい」
アリアネ、ハリー、ロン、ハーマイオニーは座席を探すために1度列車に乗り込んだ。
探し始めて数分もせず、列車の中ほどに空いているコンパートメントを見つけて、そこに4人は荷物を入れた。
それからホームに飛び降りれば、リーマスはモリーと会話をしていた。
「リーマス、少し痩せすぎているんじゃない?今度うちに夕飯を食べにいらっしゃいな」
「ありがとう、モリー。でもいいのかい?私なんかが行っても」
「当たり前です。私なんかじゃなくて、リーマスだから良いって言ってるのよ」
そんな会話を聞いていたアリアネは小さく微笑みながら、ビルとチャーリーが居ることに気がついて、ハリー達と4人がいる場所に駆け寄った。
「僕、みんなが考えてるより早く、また会えるかもしれないよ」
チャーリーはジニーにお別れの挨拶をして、抱きしめながらそう言った。
その言葉にアリアネ達はキョトンとする。
「どうして?」
フレッドがすかさず聞いた。
「いまにわかるよ」