第16章 闇の印【炎のゴブレット】
チャーリーはニッコリと微笑みながも、詳しいことを言おうとしない。
その事にアリアネ達は首を傾げた。
「僕がそう言ったってこと、パーシーには内緒だぜ·····なにしろ、『魔法省が解禁するまでは機密情報』なんだから」
「ああ、僕もなんだか、今年はホグワーツに戻りたい気分だ」
ビルは羨ましそうに赤いホグワーツ特急を見つめた。
そんなビルにジョージとフレッドは首を傾げながらも、質問を投げかける。
「どうしてさ?」
「今年はおもしろくなるぞ。いっそ休暇でも取って、僕もちょっと見物に行くか·····」
「だから何をなんだよ?」
「それはホグワーツに行けばわかるさ、ロン」
「ああ·····なるほど。アレがあるわけか。アリアネ、今年のホグワーツは楽しくなるよ」
「どういうこと?」
リーマスは何かを察したようで、ニッコリと微笑みながらアリアネを見た。
その時、汽笛が鳴り響いてモリーが皆を汽車のデッキへと追い立てる。
全員列車に飛び乗ると、ドアを閉めてから窓から身を乗り出した。
そしてハーマイオニーとハリーはモリーへと挨拶をしながら、身を乗り出してニッコリと微笑む。
「ウィーズリーおばさん、泊めてくださってありがとうございました」
「ほんとに、おばさん、いろいろありがとうございました」
「あら、こちらこそ、楽しかったわ。クリスマにもお招きしたいけど、でも·····ま、きっとみんなホグワーツに残りたいと思うでしょう。なにしろ·····いろいろあるから」
その言い方にロンは気になってしまい、イライラしながら『ママ!』と叫んだ。
「4人とも知ってて、僕たちが知らないことって、なんなの?」
「今晩わかるわ。たぶん。とっても面白くなるわ、それに、規則が変わって、本当に良かったわ」
「何の規則?」
ハリー、ロン、フレッド、ジョージが一斉にモリーへと尋ねたが、モリーは言うつもりないようでにっこりと微笑むだけ。
「ダンブルドア先生がきっと話してくださいます·····さあ、お行儀よくするのよ。ね?わかったの?フレッド?ジョージ、あなたもよ」
「アリアネ、楽しいひと時を過ごすんだよ」
ピストンが大きく音を立て、汽車が動き始めた。
それでも全員窓から身を乗り出してから、モリー達の方へと顔を向ける。
「ホグワーツで何が起こるのか、教えてよ!」