第2章 授業と決闘【賢者の石】
「もし君たちのせいで、僕たちが捕まるようなことになったら、クィレルが言ってた『悪霊の呪い』を覚えて君たちにかけるまでは、僕、絶対に許さない」
「ロン、辞めなさいよ·····まったく」
するとハーマイオニーが口を開きかけて、何かを言うとした時である。
ハリーがまた、『シーッ』と言ってから黙らせてから目配せをして私たちに進むように促す。
フィルチとミセス・ノリスがいないかと確認しながら、私たち五人は素早く移動していく。
曲がり角を曲がる度に、フィルチたちが居ないかと不安になったけれど遭遇することなく、トロフィー室に辿り着けた。
「マルフォイとクラッブはいないわね·····」
まだトロフィー室に二人の姿はない。
そしてトロフィー室を覗くと、そこには色んな種類のトロフィーが飾られていた。
カップ、盾、賞杯、そして像など色んな物が金銀に輝いている。
そして私たちはマルフォイ達が来るのを待つ。
だけど、数分経っても彼らが来ることはなく、暫くするとロンが囁いた。
「遅いな、たぶん怖気ついたんだよ」
「·····そうだといいのだけど。何か、はめられた気がしてきたわ」
「え?はめられたって·····どいうこと」
「思えば、あのマルフォイがわざわざ危険を犯してまで夜、寮から逃げ出すと思う?もしかしたら、わざとあんな事を言って·····」
と言いかけた時である。
隣の部屋から物音がして、五人揃って飛び上がった。
ハリーはマルフォイが来たかと思ったのか、杖を振りあげようとしたが、聞こえてきたのはマルフォイの声じゃない。
フィルチの声であった。
「いい子だ。しっかり嗅ぐんだぞ。隅の方に潜んでいるかもしれないからな」
ミセス・ノリスまでもいる。
その事に私たちは固まってしまえば、ハリーが勢いよく私たちに手招きをした。
そして私たちはハリーについて行き、音を立てないようにフィルチとは反対側のドアはと急ぐ。
(心臓がバクバクしてるわね·····。バレたら大変なことになりそうだわ)
激しく鳴っている心臓を落ち着かせながら、最後にネビルが曲がり角から消えれば、フィルチが間一髪でトロフィー室に入ってきた。
「どこかこのへんにいるぞ。隠れているに違いない」
ぶつぶつとつぶやくフィルチの声が聞こえてくる。
そしてハリーが私たちに耳打ちしてきた。
「こっちだよ!」