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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第16章 闇の印【炎のゴブレット】


暗い小道でフレッド、ジョージ、ジニーを探す。
その道中で小鬼の一団を追い越したが、金貨の袋を前にして高笑いしていた。
キャンプ場ではあんな事が起きているのに、そんなこと気になってもいない様子。

さらに進んでいると、銀色の光を浴びた一角に入り込んだ。
木立の間には背の高いヴィーラが立っていて、若い魔法使いたちがそれを取り巻いて声を張り上げている。

「僕は、一年にガリオン金貨100袋稼ぐ。われこそは『危険生物処理委員会』のドラゴン・キラーなのだ」
「いや、違うぞ。君は『漏れ鍋』の皿洗いじゃないか……ところが、僕は吸血鬼ハンターだ。われこそは、これまで約90の吸血鬼わ殺せし──」
「おれはまもなく、今まで最年少の魔法大臣になる。なるってたったらなるんでえ」

ヴィーラの前で絶対嘘だろうという言葉を言う男たちに、私とハーマイオニーはため息を吐き出した。
そんなにヴィーラに興味を持ってほしいのだろうかと思っていれば、ロンが突如叫び出した。

「僕は木星まで行ける箒を発明したんだ。言ったけ?」
「ロン、貴方馬鹿なの……?」
「まったく!」

ヴィーラというのはタチの悪い美女だ。
そう思いながら、ハーマイオニーと共にロンの腕を引っ張って回れ右をさせてから歩き出した。

「ヴィーラって危険ね」
「本当にそうね。ハリーもロンも、見た目だけで惑わされないでちょうだい」
「さっきの試合で、ヴィーラの本当の姿を見たでしょう?」

そんな小言を言っていれば、私達は森の奥深くに入り込んでいた。
周りには誰もおらず、変に静かである。

「僕たち、ここで待てばいいと思うよ。ほら、何キロも先から人の来る気配も聞こえるし」

ハリーの言葉が終わらないうちに、誰かが目の前の木の影から現れた。
驚いて杖灯を向けると、バクマンがいたのだ。

「誰だ?こんな所で、ポツンと、いったい何をしてるんだね?」

バクマンの顔色はさっきと打って変わっている。
陽気な表情は消え去り、真っ青で緊張していたが、私達は互いの顔を見あわせた。
この人は今起きている事を知らないのかと。

「それは──暴動のようなものが起こってるんです」

ロンがバクマンへと説明すると、彼は驚いた表情を見せた。

「なんと?」
「キャンプ場です……だれかがマグルの一家を捕まえたんです……」
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