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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】


「行商人だ!」

ロンがそう叫んだ。
彼の視線の先では行商人が『姿現わし』で現れて、土産物をカートに乗せている。

光るロゼット、踊る三つ葉のクローバーがビッシリと飾られている緑のとんがり帽子、本当に吼えるライオン柄のブルガリアのスカーフ、打ち振ると国歌を演奏する国旗等色んなものが売られていた。

「夏休み中ずっとこのためにお小遣い貯めてたんだ」

私達は物売りの間を歩きながら、何を買おうかと物色していた。
ロンは踊るクローバー帽子と大きな緑のロゼットを買って、ブルガリアのシーカー、ビクトール・クラムのミニチュア人形も買っていた。

「買いすぎじゃない?ロン」
「買わなきゃ損だよ!」
「わあ、これ見てよ!」

ハリーは何かを見つけたようで、とあるカートに駆け寄っていく。
私達も駆け寄ると、真鍮製の双眼鏡のようなものが高く積み上がっていた。

「万眼鏡(オムニオキュラー)だよ」

物売りが熱心に私たちに売り込んできた。

「アクション再生できる……スローモーションで……必要なら、プレーを一コマずつ静止させることもできる。大安売り、1個10ガリオンだ」
「こんなのさっき買わなきゃよかった」

ロンは踊るクローバの帽子を指差して、残念そうに呟いた。

「4個ください」

すると、ハリーは物売りにキッパリと言った。

「いいの、気を使うなよ」

ロンは顔を赤くさせながら、少し不貞腐れたように呟いた。
ハリーがロンよりお金を持っているということに、ロンはいつも神経過敏になる。

「クリスマス・プレゼントはなしだよ」

ハリーは万眼鏡をロン、私、ハーマイオニーに押し付けながら言った。

「しかも、かれこれ10年ぐらいはね」
「いいとも」
「うわぁぁ、ハリー、ありがとう。じゃ、私が4人分のプログラムを買うわ。ほら、あれ」
「じゃあ、私は4人分のファイアボルトのミニチュア模型を買うわ。ハリー、あれ欲しがってたでしょ?買わなかったけど」
「あれ、バレてた?うん、そうなんだよ欲しかったんだ。ありがとう、アリアネ」

みんなの財布がだいぶ軽くなったころ、私達はテントに戻った。
ビル、チャーリー、ジニーは緑のロゼットを付けていて、アーサーおじさんはアイルランドの国旗を持っている。
双子は全財産をはたいてバグマンに渡したので何も買っていなかった。
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