第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
ハリーも手を振り返していたが、水をどっさりと撥ねて零してしまった。
この様子からして、ハリーはどうもチョウに惹かれているようだ。
ロンと私がニヤニヤとしていれば、それを何とかしたかったのだろう。
今まで会ったことが無かったおなじ年頃の子供たちを指差した。
「あの子たち、誰だと思う!?ホグワーツの生徒、じゃないよね?」
「どっかの外国の生徒だと思うな」
「そういえば、魔法学校ってホグワーツ以外にもあるのよね」
「そうそう。他の学校の生徒には今まで会ったことは無かったけど居るんだよね。ビルはブラジルの学校にペンパルがいたな……もう何年も前のことだけど……それでビルは学校同士の交換訪問旅行に行きたかったんだけど、家じゃお金が出せなくて。ビルが行かないって手紙書いたら、ペンパルが凄く腹を立てて、帽子に呪いをかけて送ってよこしたんだ。お陰でビルの耳が萎びちゃってさ」
そういえば、そんなこともあったと私は笑った。
でも他の学校の生徒も来るなんて、それだけワールドカップは人気なんだなとしみじみと思った。
その後、色んな人たちを見て眺めながらウィーズリー家のテントに戻った。
すると私たちが戻ったことに気がついたジョージが言った。
「遅かったなあ」
「色んな人に会ったんだ」
「他の学校の生徒とかもいたわ」
「あ、そうなんだ」
「ところで、まだ火を熾してないのか?」
「親父がマッチと遊んでてね」
アーサーおじさんはマッチで火を付けられなかったようで、彼の周りにはぐるりと折れたマッチが並んでいる。
「うわっ!」
やっと火がついたけれど、アーサーおじさんは驚いたようで取り落としてしまった。
「ウィーズリーおじさん、こっちに来てくださいな」
ハーマイオニーがクスッと笑いながら、アーサーおじさんからマッチ箱を手に取ってから正しいマッチの使い方を教えていた。
ハーマイオニーのお陰でやっと火がついた。
だけど料理が出来るようになったのは、それから少なくとも1時間はかかったものだ。
「そういえばアリアネ、そのリボンどうしたんだい?」
フレッドが私のリボンに触れながら、不思議そうに聞いてきた。
「あ、これ?これ、セドリックに誕生日プレゼントとしてもらったのよ。水汲みに行く時に会って」
「……へえ」
「私の瞳と同じ色だし、素敵なリボンよね」