第2章 授業と決闘【賢者の石】
「今年のクィディッチ・カップはいただきだぜ」
「チャーリーがいなくなってから、一度も取ってないんだよ。だけど今年は抜群のチームになりそうだ。ハリー、君はよっぽどすごいんだね。ウッドときたら小躍りしてたぜ」
フレッドとジョージも少し興奮気味である。
二人ともクィディッチの選手で、勝てないと家でボヤいていた事があったのを思い出す。
「じゃあな、僕たち行かなくちゃ。リー・ジョーダンが学校をでる秘密の抜け道を見つけたって言うんだ」
「それって僕たちが最初の週に見つけちまったやつだと思うけどね。きっと『おべんちゃらのグレゴリー』の銅像の裏にあるやつさ。じゃ、またな」
「ちょっと、二人とも!悪戯するのは程々にしておきなさいよ。モリーおばさんが泣くわよ」
また何かを企んでいる二人にそう言うと、歩いていこうとしたフレッドがこちらに戻ってきた。
そして私の目の前で屈んできたかと思えば、チュッ·····と私の頬にキスをしてくる。
「お姫様、そこは僕たちが心配だから辞めてくれって言うもんだぜ」
「·····何するのよ!もう!」
フレッドを叩こうとしたが、素早く逃げられてしまった。
けらけらと笑いながら歩いていくフレッドの背中を睨みながら、私はデザートの糖蜜パイを手にしようとした時である。
「ポッター、最後の食事かい?マグルの所に帰る汽車にいつ乗るんだい?」
あの減らず口マルフォイがまた現れた。
相変わらずの態度に、私が一言、言ってやろうすればハリーが私を制ししてからマルフォイを冷やかす。
「地上ではやけに元気だね。小さなお友達もいるしね」
するとマルフォイは目を見開かせていて、クラッブとゴイルは何かをしようとするが先生達が居ることに気がついて何も出来やしなかった。
「僕一人でいつだって相手になろうじゃないか。ご所望なら今夜だっていい。魔法使いの決闘だ。杖だけだ、相手には触れない。どうしたんだい?魔法使いの決闘なんて聞いたこともないんじゃないの?」
「もちろんあるさ。僕が介添人をする。アリアネは審判だ。おまえのは誰だい?」
ロンにさりげなく巻き込まれた。
するとマルフォイはクラッブとゴイルを見比べてから、こちらを振り向く。
「クラッブだ。真夜中でいいね?トロフィー室にしよう。いつも鍵が開いているんでね」