第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
ハーマイオニーが安堵したように呟いていれば、ロンも安心したような表情を浮かべる。
「あら、もうこんな時間」
モリーおばさんが腕時計を見ながら、急にそう言った。
そして椅子から立ち上がると、私達に椅子から立つように促す。
「みんなもう寝なくちゃ。全員よ。ワールドカップに行くのにら夜明け前に起きるんですからね。ハリー、学用品のリストを置いていってね。明日、ダイアゴン横丁で買ってきてあげますよ。みんなの買い物をするついでがあるし。ワールドカップの後は時間がないかもしれないわ。前回の試合なんか、5日間も続いたんだから」
「ワーッ!今度もそうなるといいな!」
ハリーが興奮したように呟けば、パーシーが顔を顰めるのが見えた。
「あー、僕は逆だ。5日間もオフィスを空けたら、未処理の書類の山がどんなになっていふかと思うとゾッとするね」
本当にパーシーは仕事人間になってしまった。
楽しいことより仕事の事を考えてしまうなんて……と私はお茶を飲みながら眉を下げる。
するとフレッドがニヤリと笑った。
「そうとも。また誰かがドラゴンの糞を忍び込ませるかもしれないし。な、パース?」
「あれは、ノルウェーからの肥料サンプルだった!僕への個人的なものじゃなかったんだ!」
「個人的だったとも」
フレッドはテーブルから離れて、私達に囁いた。
「俺たちが送ったのさ」
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「アリアネ、出かける時間ですよ」
モリーおばさんに揺らされて、私は目を開けた。
瞼がまだ重たいし、ベッドの中にまだいたくて眉間に皺を寄せる。
欠伸を噛み殺しながらも、ノロノロとベッドを出ながら洋服を引っ張る。
まだ眠たいし、寝ていたいと思いながらノロノロと洋服に着替えていく。
「ジニー、ハーマイオニーを起こさなきゃ」
モリーおばさんはせかせかとしながら、私が使っていた部屋から出て行った。
そして部屋を出れば、同じように眠たげにしているジニーとハーマイオニーと鉢合わせした。
3人で眠たげにしながらキッチンへと向かう。
「どうしてこんなに早起きしなきゃいけないの?」
ジニーが目を擦りながら、不満げに呟いた。
「結構歩かなくちゃならないんだ」
「歩く?え?僕たち、ワールドカップのところまで、歩いて行くんですか?」
「歩きで行くの?アーサーおじさん……遠いわよ」