第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
突然の爆弾発言に私はギョッとした。
するとフレッドは目を見開かせて固まり、動かなくなってしまう。
「ハーマイオニー!なんてことを言うの!」
「あら、事実を言ったまでじゃない。シリウスに惹かれているんですものね」
ハーマイオニーは悪戯っ子の笑顔を浮かべながら、小声で私の耳元で囁いてくる。
否定できない私は顔を真っ赤にしながら突っ立っていれば、ビルとチャーリーがニヤリと笑っているのが見えた。
「これはフレッド。お前、大人にならないと駄目だな。子供みたいに悪戯ばっかりしてないで」
「いい大人になる為に頑張らないとな。で、アリアネ、今惹かれてる人って誰なんだい?」
「お、教えない!」
教えれるわけが無い。
相手はシリウスであり、彼が無実と知らない人間からしたら凶悪犯に惹かれていると思われてしまうから。
「でも惹かれているだけで、好きとかじゃないから!」
「へえ?そうなのかい」
「じゃあ、まだ負けと決まった訳じゃないなフレッド」
「……そうだね。まだ負けと決まったわけじゃない」
フレッドとビルは何やらコソコソと話しているが、その内容は私には聞こえなかった。
7時になり、2卓のテーブルにはモリーおばさんお手製のご馳走が並んだ。
チキンハム・パイ、ゆでたじゃがいも、サラダなど色んな食べ物が並んだ。
パーシーとアーサーおじさんは食事をしながら、魔法省の仕事についての話を。
フレッドとジョージとチャーリーはクィディッチの話をして、モリーおばさんとジニーはビルの髪の毛の長さやピアスの話をしていた。
そんな話を横目で見ながら、デザートの手作りストロベリー・アイスクリームを食べながら、私はシリウスは今はどの辺にいるのだろうと考えていた。
(手紙では何処にいるかは書いてなかったから、何処にいるか分からないのよね)
すると、ロンがテーブルを見渡してから低い声で囁いた。
「それで、ハリー、アリアネ。シリウスから、近頃便りはあったのかい?」
皆に聞こえないようにロンが聞いてきた。
「うん。2回あった。元気みたいだよ。僕、一昨日手紙を書いた。ここにいる間に返事が来るかもしれない」
「私も返事はあったわ。元気そうだし、バックビークも問題ないみたい」
「それなら良かったわ。私、心配してたのよ。あれ以来会ってないでしょう?元気そうなら良かったわ」