第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
ロンは皮肉たっぷりに言いながら、鳥籠をちらりと見ながらため息を吐き出す。
「ジニーがつけた名なんだ。可愛い名前だと思って。それで、僕は名前を変えようとしたんだけど、もう手遅れで、こいつ、他の名前だと応えないんだ。それでピッグになったわけさ。ここに置いとかないと、エロールやヘルメスがうるさがるんだ。僕もうるさいんだけどね」
ピッグは籠の中で甲高く鳴きながら飛び回っている姿は、とても可愛らしい。
(ロン、あんなこと言うけれど可愛がってるんでしょうね)
スキャバーズの事だってボロクソに言っていたけれど、結局は可愛がっていた。
弱った時は誰よりも心配していたのだから。
「クルックシャンクスは?」
「庭だと思うわ。庭小人をら追いかけるのが好きなのよ。初めて見たものだから」
庭の方を見れば、庭小人が走っているのが見えた。
その後ろの方ではクルックシャンクスが庭小人を追いかけながら走っているなが見える。
「それで、パーシーは仕事を楽しんでるんだね?」
「楽しいかって?パパに帰れと言われなきゃ、パーシーは家に帰らないと思うな。ほとんど病気だね。パーシーのボスのことには触れるなよ。クラウチ氏によれば……クラウチさんに僕が申し上げたように……クラウチ氏こ意見では……クラウチさんが僕におっしゃるには……ばっかりだ。きっとこの2人、近いうちに婚約発表するぜ」
「相当、そのクラウチって人にお熱なのね、パーシーは……」
「ああ、お熱過ぎるよ。いいか、パーシーに絶対にクラウチの事を聞くなよ」
「わかったよ」
「了解したわ」
とりあえず、パーシーは仕事に熱中しているらしい。
そして上司のクラウチって言う方にお熱で、語ると大変だということはロンの言葉からよく理解した。
「ハリー、アリアネ。貴方たちの方は、夏休みどうだったの?ハリーは私たちからの食べ物の小包とか、色々届いた?」
そう、ハリーはこの夏休みの間でだいぶ痩せた。
理由は従兄弟がダイエットしなきゃならないから、それに付き合わされているとのことだ。
手紙で読んだ時はあの叔父夫婦に怒りを感じて、家に突撃しようかと思ったぐらいだ。
ハリーはもう十分に痩せている。
それどころか、同年代に比べたら痩せすぎている方だ。
だからハーマイオニーと私やロンは食べ物をこっそりと送っていた。