第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
「まあ、ハリー、こんにちは。それで、アーサー、何事なの?聞かせて」
アーサーおじさんは口ごもってしまう。
ジョージとフレッドの行いに怒ってはいるけれども、モリーおばさんには言うつもりはなかったらしい。
オロオロとアーサーおじさんはモリーおばさんの前でどうしようかと焦っている。
そんな時だ。
モリーおばさんの影から、ハーマイオニーとジニーが顔を覗かせた。
「ハーマイオニー、ジニー!」
「はあい、アリアネ」
「久しぶり、アリアネ」
2人の元に歩いている最中、モリーおばさんはアーサーおじさんに詰め寄っていた。
「アーサー、一体何なの?言ってちょうだい」
「モリー、大したことじゃない。フレッドとジョージが、ちょっと、だが、もう言って聞かせた」
「今度は何をしでかしたの?まさか、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズじゃないでしょうね」
更にモリーおばさんは詰め寄る。
「ロンのお兄様達、何をしでかしたの?」
ハーマイオニーはモリーおばさん達を見ながら、私に聞いてくるので、苦笑を浮かべながらフレッドとジョージに聞いた話をハーマイオニーに聞かせた。
「なるほどね。まあ、いい気味と思うけど……」
「あたしもそう思うわ」
「ねえ、ロン。ハリーを寝室に案内したらどう?」
ハーマイオニーは苦笑を浮かべながらも、ロンに声をかけた。
「ハリーはもう知ってるよ。僕の部屋だし、前の時もそこで……」
「みんなで行きましょう」
「あっ、オッケー」
「ウン。俺達も行くよ」
ジョージ達も来ようとしたが、モリーおばさんがそれを許さない。
「貴方達はここにいなさい」
凄んでいるおばさんを横目で見ながらも、ハリーとロン、ハーマイオニーとジニーとキッチンを抜け出した。
久しぶりのウィーズリー家の廊下を渡り、階段をジグザグと上がって行く最中、ハリーが不思議そうに訊ねる。
「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズって、なんなの?」
「そういえば、私もそれ知りたいわ。なんなの?ウィザード・ウィザード・ウィーズって」
「ママがね、フレッドとジョージの部屋を掃除してたら、注文書が束になって出てきたんだ。2人が発明したものの価格表で、ながーいリフトさ。悪戯おもちゃの『だまし杖』とか、『ひっかけ菓子』だとか、いっぱいだ。すごいの、僕、あの2人があんなに色々発明してたなんて知らなかった……」