第15章 ワールドカップ【炎のゴブレット】
「ふうん……?まだね」
「な、なによ……」
「なんでもないわよ。でも貴方、年上がタイプなのね。スネイプの時もそうだったけど。20歳も年が離れているのよ」
「惹かれるのに歳は関係ないわよ」
「そうね、恋愛感情に年齢は関係ないわよね」
「だから、まだ恋愛感情とかじゃなくて!」
「はいはい、わかったわ。惹かれているだけよね。シリウスの優しさや強さに。でも、あの人……貴方を見ている時の目が……」
ハーマイオニーはそこで言葉を途切れさせた。
何かを考える素振りを見せていて、私は首を傾げる。
どうしたんだろうとおもっていらば、ハーマイオニーは首を横に振ってからティーポットを握った。
「シリウス、あなたに特別優しいわよね」
「そうかしら……?でも、距離には近い気がする」
「気をつけなさいね。男は皆、狼よ」
「それ、リーマスとモリーおばさんにも言われたわ」
「そうでしょうね。私も心配だわ……」
ため息を吐き出す彼女に首を傾げながらも、お茶の用意をした。
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「シリウス。いつ頃ここを出るんだい?」
皆で会話を楽しんだりしている時、リーマスがふとシリウスに質問をした。
それは私も気になっていた事であり、ハリー達も興味ありげにシリウスを見ている。
「そうだな。明日にでも出ようかと思っているよ」
「急すぎない?」
ロンの言葉に全員が頷いた。
明日というのはあまりにも急であり、そんなに急がなくてもと思った。
「そんなに急いで出なくても……」
「あまり長居したら、離れにくくなるからな。できるだけ早く出ようと思う」
「君が決めたことなら、私は反対しないよ」
「ありがとう、リーマス。それじゃあ、私は明日からこの家を出てバックビークと共にあちこちを転々とするよ。だが、たまにここに戻ってきてもいいかな?」
「もちろんよ!何時でも戻ってきて、シリウス」
「ありがとう」
シリウスが出ていく事になるのは寂しい。
まだ彼と過ごしてそう日にちが経っていないのだから。
だけど、彼が決めた事を反対することも出来ずに、私はただ無事を祈りながら見送ることを決めた。
「旅に出ている時は、ハリー、君に手紙をだすよ」
「うん。ありがとう、シリウス。楽しみにまっているよ」