第2章 授業と決闘【賢者の石】
チャーリーの名前を出され、私はちょっと目を見開いた。
そういえばチャーリーはクィディッチが凄く上手だった事を思い出していれば、マクゴナガル先生は私へと視線を向けてくる。
「Ms.フリート。貴方もハリーが16メートルからダイビングして玉を取っていたのを見ていましたよね。地面に落ちることなく、かすり傷一つもつかずに」
「え、あ、はい。見ました」
私の言葉にマクゴナガル先生は満足そうに頷いて見せる。
するとウッドは何処か興奮したようにハリーに声をかけた。
「ポッター、クィディッチの試合を見たことはあるかい?」
「ウッドはグリフィンドール・チームのキャプテンです」
「体格もシーカーにぴったりだ」
ふむふむとウッドはハリーの周りを歩きながら、彼を観察している。
その光景に私は唖然としているばかりであり、マクゴナガル先生を見るけれど彼女は何故は嬉しげにしていた。
これは一体どういう状況なのかしら。
そう思っていれば、ハリーは戸惑ったように私を見てくる。
「身軽だし·····すばしっこいし·····ふさわしい箒を持たせないといけませんね、先生、ニンバス2000とか、クリーンスイープの7番なんかがいいですね」
「アリアネ·····ニンバスってなに?クリーンスイープって·····?」
助けを求めるようにハリーが囁いてくる。
「箒の種類よ」
「なるほど·····」
もしかして、マクゴナガル先生はハリーをクィディッチの選手にするつもりなのかしら·····と首を捻る。
だけどクィディッチに1年生が出れるなんて話はあったかなと眉を寄せた。
「私からダンブルドア先生に話してみましょう。一年生の規則を曲げられるかどうか。是が非でも去年よりは強いチームにしなければ。あの最終試合でスリザリンにペシャンコにされて私はそれから何週間もセブルス・スネイプの顔をまともに見られませんでしたよ·····」
マクゴナガル先生は眼鏡を光らせると、ハリーを見つめる。
「ポッター、あなたが厳しい練習を積んでいるという報告を聞きたいものです。さもないと処罰について考え直すかもしれませんよ」
それはつまり、ハリーがクィディッチの選手として練習をしていれば今回の処罰は無しということだろうか。
なんて思っていれば、マクゴナガル先生は優しい笑みを浮かべたのである。