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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第14章 秘密【アズカバンの囚人】


シリウスは直ぐに彼女の顔色が悪いのを見抜いていた。
嫌な夢を見たのか、はたまた具合が悪いのかと心配しながら、彼女の両頬を優しく両手で包む。

「あ……」
「どうかしたのかい?」
「夢見が、悪かっただけよ」
「そうなのか……それで起きてしまったのかな?まだ深夜の1時だけど。はい」

シリウスは違うグラスを手にすると、それに水を注いでからアリアネに渡した。

「ありがとう……」

水を1口飲めば、乾いていた喉が潤される。
そしてまた水を飲んでいれば、シリウスが顔を覗き込んできた。
のぞき込まれたアリアネは驚いてしまい、グラスを口から離す。

「な、なに……?」
「眠れそうかい?」
「……多分」
「眠れそうになかったら、寝物語を聞かせてあげよう。そうだな、君のご両親の話なんてどうだい?」
「……聞きたい」

普段なら、遠慮するはず。
だがあの夢を見たあとのせいで、1人でいることが億劫になっていたアリアネは、シリウスの提案に頷いた。

「じゃあ、君の寝室に行こう。リーマスには内緒だぞ?私がアイツに殺されてしまう」
「ふふ、わかったわ……」

シリウスの冗談にアリアネは小さく笑った。


❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈

ーアリアネ・イリアス・フリートsideー


シリウスはたくさん、父さんと母さんの話をしてくれた。
学生時代にどんなイタズラをしたや、どんなことをして遊んだとか色々。
その話を聞く度に面白くて、笑って、夢のことなんて忘れていた。

「どうだい?眠れそうかい?」
「うん……少し眠くなってきた」
「それは良かった。じゃあ、眠る時のおまじないをしよう」

そう言うと、シリウスはベッドに横たわる私に覆い被さってきた。
驚いて身を固くしていれば、シリウスの唇が私の額に触れる。

柔らかくて、少しカサついた唇。
その唇が額に触れたとわかった瞬間、顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかった。

「眠れそうかい?」

シリウスはいたずらっ子のように笑う。
その笑顔を見た瞬間、胸がまた熱くなる感覚があった。

「む、無理かも……」
「それは困ったな。じゃあ、もう一度おまじないをしようかな」
「それは大丈夫!本当に、大丈夫だから……!」

額にキスをまたされたら、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。

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