第14章 秘密【アズカバンの囚人】
ロンは呻きながら、私たちを見た。
「ハリー?僕たち、どうしてここにいるの?シリウスはどこだい?ルーピンは?何があったの?」
その言葉に、私達は顔を見合せた。
そして私はチョコレートを頬張り、ハーマイオニーをちらりと見る。
「ハーマイオニーが説明してあげて」
「そうだね。ハーマイオニー、お願い」
私とハリーはハーマイオニーに説明を頼んでから、マダム・ポンフリーに渡されたチョコレートを頬張るのだった。
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ー翌日ー
私はリーマスの様子が気になって、彼がいる教室に向かっていた。
「あら、Ms.フリート」
「マクゴナガル先生。おはようございます」
「おはようございます。今日はポッター達とは一緒ではないのですね」
「ええ、はい。今からリーマスのところに行こうと思いまして」
ばったりと、マクゴナガル先生と鉢合わせしたので理由を話すと彼女は顔を曇らせた。
その表情にキョトンとしていれば、マクゴナガル先生は言いにくそうにしながら、メガネに触れる。
「話はもう聞きましたか?」
「何をですか……?」
「ルーピン先生は今日、辞任されました」
「……はい!?」
私はそこから慌ててリーマスの部屋へと走っていった。
途中、背後でマクゴナガル先生に呼び止められたけれど、それを無視してから走った。
リーマスの部屋に辿り着くと、ドアが開いていた。
部屋の中を見れば、ほとんど荷造りが済んでいて、私は目を見開かせた。
「リーマス!」
部屋に飛び込めば、リーマスはにっこりと微笑んだ。
まるで私が来るのが分かっていたかのように。
「やあ、アリアネ。おはよう」
「おはようじゃないわよ!なんで、なんで教師を辞任したの!?」
私はリーマスの隣に立ちながら、彼のローブを掴んだ。
「うん……実はね、セブルスがね……スリザリン生全員に私が狼人間であることを話したんだよ」
「……そんな!」
何故、セブはリーマスが狼人間であることを話したんだろうか。
そう思ってから直ぐに、理由が分かってからふつふつと怒りが湧き上がる。
「私、セブに言ってくる」
「そんなことしなくても大丈夫だよ。私も、辞めるべきだと思っていたから。またこんなことが起きたらいけないからね」
「でも……!」
「おや、ハリーがこっちに来るね」