第2章 授業と決闘【賢者の石】
「ハリー・ポッター·····!」
なんと、何処かで様子を見ていたのかマクゴナガル先生が走ってきたのである。
そしてショックを隠しきれないようにつぶやく。
「まさか、こんなことはホグワーツでは一度も·····。よくもまあ、そんな大それたことを·····首の骨を折ったかもしれないのに」
「先生、ハリーが悪いんじゃないんです·····」
「お黙りなさい。Ms.パチル」
「でもマルフォイが·····」
「くどいですよ。Mr.ウィーズリー」
「話を聞いてください、マクゴナガル先生。お願いします!!」
「Ms.フリート、再度言いますがくどいですよ」
ハリーが悪いわけじゃないのに、マクゴナガル先生は何故かハリーだけを見ている。
このままではマルフォイも悪いのに、ハリーだけが咎められてしまうと思い焦ってしまう。
「マクゴナガル先生、お願いします。お叱りするのでしたら、周りの話も聞いてからでお願いします。話を、聞いてください!」
「くどいですよ、Ms.フリート。ですが、話ならあとでお聞きしましょう。ポッター、さあ、一緒にいらっしゃい」
マクゴナガル先生はハリーにそう言うと歩き出し、ハリーはとぼとぼと歩き出した。
ハリーだけが悪いじゃないのに、元凶はマルフォイだというのに。
チラリとマルフォイを見れば、彼はクラッブとゴイルと共に勝ち誇ったように笑っていた。
それが見えた瞬間、私の中で何かが焼き切れる。
「いい加減にしなさいよ、ドラコ・マルフォイ!!」
杖を取りだした私は、ドラコの首筋に杖をねじり込むように押し当てた。
「ひっ!?」
「元はと言えば、貴方が元凶なのによくもまあ笑っていられるわね!あとで私がマクゴナガル先生にきちんとお話してあげるわ!」
「アリアネ、辞めなさい!」
「いいえ、ハーマイオニー。辞めないわ!この駄犬は一度、親ではなく他人に躾られるべきよ。私がこの場で躾てあげましょうか!?」
更に杖を突き刺すようにすれば、マルフォイは顔を真っ青にさせて瞳には涙が浮かび始める。
杖を首に押し当てられただけで、こんなにも泣きそうになるなんて弱虫にも程があるものだ。
「痛い思いをすれば、人は簡単に躾られるわ!」
「や、やめっ·····!やめてっ!」
「だけど、ここで問題を起こせば私も貴方と同類の人間になってしまから辞めておくわ。でも、次は無いわよ·····」