第14章 秘密【アズカバンの囚人】
突然、大きなチョコレートの塊を私とハリーはマダム・ポンフリーに突っ込まれた。
むせ込んでいれば、ハリーはベッドに押し戻された、私も腕を引っ張られてベッドに押し戻される。
「はた、大臣、お願いです。この子達は手当が必要です。どうか出ていってください」
マダム・ポンフリーが2人を追い出そうとした時である。
病室の扉が開いて、ダンブルドアが入ってきて、私は慌ててチョコを飲み込んだ。
「ダンブルドア先生!」
「ダンブルドア先生、シリウス・ブラックは──」
「なんてことでしょう!」
とうとう、マダム・ポンフリーがキレてしまった。
「病室をいったい何だと思っているんですか?校長先生、失礼ですが、どうか──」
「すまないね、ポピー。だが、わしはMr.ポッターとMs.フリートとMs.グレンジャーに話があるんじゃ」
ダンブルドアは穏やかに微笑みながら、マダム・ポンフリーを宥める。
「たったいま、シリウス・ブラックと話してきたばかりじゃよ」
「さぞかし、ポッターとフリートに吹き込んだと同じ御伽噺をお聞かせしたことでしょうな?ネズミがなんだもか、ペティグリューが生きているとか──」
「さよう、ブラックの話はまさにそれじゃ」
ダンブルドアの瞳が光っていた。
「吾輩の証言は何の重みもないということで?ピーター・ペティグリューは『叫びの屋敷』にないませんでしたぞ。校庭でも影も形もありませんでした」
「それは先生がノックアウト状態だったからです!」
ハーマイオニーが必死に叫んだ。
「先生はあとから来たので、お聞きになっていない──」
「Ms.グレンジャー。口出しするな!」
「まあ、まあ、スネイプ。このお嬢さんは、気が動転しているのだから、それを考慮してあげないと──」
「わしは、ハリーとアリアネとハーマイオニーと4人だけで話したいのじゃが」
突然、ダンブルドアがそう言った。
その言葉に誰もがキョトンとしていたが、ダンブルドアは言葉を続けた。
「コーネリウス、セブルス、ポピー、席を外してくれないかの」
「校長先生!この子達は治療が必要かんです。休息が必要で──」
「ことは急を要する?どうしてもじゃ」
マダム・ポンフリーは怒りを抑えながら、大股で、病棟の端にある恐らく事務所に向かって行ってしまった。