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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第13章 裏切り者【アズカバンの囚人】


リーマスはシリウスに飛びついてから、ロンから無理矢理引き離した。
シリウスに飛びつかれたロンは恐怖で顔が強ばっていて、スキャバーズを握りしめている。

「待ってくれ!そういうやり方をしてはだめだ。みんなに分かってもらわねば。説明しなければならない」
「あとで説明すればいい!」

シリウスはそう叫びながら、リーマスを振り払うように暴れていた。
右手はスキャバーズを捕らえようと空を掴んでいる。
一方スキャバーズは、キーキーと鳴き続けて逃げ出そうとしていた。

「みんな、全てを知る権利があるんだ!ロンはあいつをペットにしていたんだ!私にもまだ分かっていない部分がある!それにハリーとアリアネだ。シリウス、君はハリーとアリアネに真実を話す義務がある!」

リーマスの言葉にシリウスの動きが止まった。
だが、落窪んだ彼の瞳はスキャバーズを見ているまま。

「いいだろう。それなら、君がみんなに何とでも話してくれ。ただ、急げよ、リーマス。私を監獄に送り込んだ原因の殺人を、いまこそ実行したい」
「正気じゃないよ、2人とも」

ロンは声を震わせ、青白い表情でアリアネとハリー、ハーマイオニーに同意を求めるかのように振り返る。

「もうたくさんだ。僕は行くよ」

ロンはそう言うと、折れていない足でなんとか立ち上がろうとしたが、リーマスが再び杖を構えてスキャバーズを指す。

「ロン、最後まで私の話を聞きなさい。ただ、聞いている間、ピーターをしっかり捕まえておいてくれ」
「ピーターなんかじゃない。こいつはスキャバーズだ!」

叫んだロンはスキャバーズを胸ポケットに押し込もうとしたが、スキャバーズは狂ったように暴れてしまう。
するとロンはよろめき、倒れそうになって慌ててアリアネとハリーが彼を支えた。
そしてベッドに押し戻す。

「ロン、無理に動いちゃダメよ。足が折れてるのよ」
「う、うん……」
「ペティグリューが死んだのを見届けた証人がいるんだ。通りにいた人たち大勢……」
「見てはいない。みたと思っただけだ」

シリウスは荒々しく言う。

「シリウスがピーターを殺したと、誰もがそう思った。私自身もそう信じていた。今夜地図を見るまではね。『忍びの地図』は決して嘘差つかないから……ピーターは生きている。ロンがあいつを握っているんだよ、ハリー」
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