第2章 授業と決闘【賢者の石】
「これなら、なんとかなるかもしれないわ」
それからハーマイオニーは、『クィディッチ今昔』で仕入れた飛行のコツをグリフィンドールの皆に話した。
だけどネビル以外はうんざりとしていて、ハーマイオニーの話を聞く。
ネビルは飛行に不安らしく、ハーマイオニーの話にしがみついていればなんとかなると思ったらしい。
暫くすると、ふくろう便が届いてハーマイオニーの飛行の講義が遮られた為、皆ほっとしていた。
「やっと終わった……」
「ネビルだけ必死に聞いてたね」
「不安そうだものね、飛行·····」
ぐったりとしたハリーとロンに苦笑を浮かべる。
ふくろう便はネビル宛であり、彼はわくわくしながら小さな包を開ける。
中身は白い煙のようなものが詰まったビー玉のようなガラス玉。
「『思い出し玉』だ!ばあちゃんは僕が忘れっぽいこと知ってるから、何か忘れると、この玉が教えてくれるんだ。見ててごらん。こういうふうにギュッと握るんだよ。もし赤くなったら·····あれれ·····」
ネビルが握った思い出し玉は真っ赤に光る。
それを見たネビルは愕然としていた。
「·····何か忘れてるってことなんだけど·····」
「ネビル、貴方何か忘れたの?」
「·····何を忘れたんだろう」
ネビルは何を忘れたのかなと必死に思い出そうとする。
その時、マルフォイが通りがかりグリフィンドールのテーブルから思い出し玉をひったくった。
「ちょっと、マルフォイ!」
私が立ち上がれば、ハリーとロンも弾けるように立ち上がった。
「それはネビルの思い出し玉よ。返しなさい」
返さなければどうしてやろうかしら。
そう思っていれば、マクゴナガル先生が突然現れたのである。
「どうしたんですか?」
「先生、マルフォイが僕の『思い出し玉』を取ったんです」
「何も言わずに、突然ネビルのをひったくって」
私とネビルがマクゴナガル先生にそう言いつけると、マルフォイは顔を顰めてから素早く思い出し玉をテーブルに戻した。
「見てただけですよ」
それだけ言うと、マルフォイはクラッブとゴイルを従えて逃げるように大広間を後にした。
マクゴナガル先生も『騒ぎすぎないように』と言うと、歩いていってしまう。
「マルフォイの奴、相変わらず嫌な奴だよ」
「本当だよ」
「マクゴナガル先生が居なければ、少し躾てあげようかと思ったのに」